アタシは先輩の上に倒れこんだ。


「痛い…先輩離してくれなきゃ片付け出来ないんですけど」


至って冷静なアタシ。



先輩と変な関係にならないっとのは分かってたから。

簡単に言えば、手のかかるお兄ちゃんが寝ぼけて手を引っ張った。
そんな感じ。


先輩もアタシを妹みたいに見てたから、気にせず手を離さないまま、本格的に抱き枕冗談で眠り始めた。



やばい。


これマジで動けねぇ…


そう思ったアタシは優斗に助けを求めて。


優斗も困った顔しながら『全く酒癖悪いな』って笑って先輩を軽くシバきながらアタシを助けてくれた。


その後も、何事もなかったかのように部屋の片付けが進んで、一段落ついたところでアタシはトイレに行って。



部屋に戻るとタバコを吸ってた。


普段は全く吸わない優斗のその姿が印象的で妙に覚えてる。



「優斗、タバコ吸うんだ」

そう声をかけると慌てた様子でタバコを消す。



『基本、女の子の前では吸わないけどね』

って笑う優斗。

あぁ、だから見たことなかったんだ。



というか、寝てる女の子の前では吸うのか。

って頭ん中でツッコんだ。