二人は私を初めて視界に入れる。

「…服部さんの好みって、この人?!」

「だから、誰の告白も断ってるんですか?」

私を指差しながら、捲し立てる二人。

初対面で指差されたのなんて、初めてだわ。

「紅はオレのだ。大の大人が子供の前で指さすな。」

「一般教養から学ぶべきだよね。最近キミ達みたいな子が多いから、先生に来てもらうことにしたの。来週一週間講習受けてね。めっちゃ厳しい先生だから、キミ達は一週間全部受けて、特に頑張ってね!」

やっぱり蒼空くん黒い~!

慌てて二人の女の人は、逃げるように出ていった。

それにしても。

やっぱり二人はモテるんだなぁ。

『二人って、モテるよねぇ…。』

「なんだ?紅、妬いてんのか?」

嬉しそうに手を引っ張って、座ったままの自分の足の間に私を挟む。

めっちゃニコニコしてるし。

「ママもモテるよねぇ。有(ゆう)先生もママ可愛いって言ってた。コイビトにしたいって。」

夕御飯を食べながら、七くんが永久に爆弾投下。

ニコニコ笑顔が一気に険しくなる。

「七世、有先生って保育園の先生か?」

「うんっ!ボクの組の先生!友達のママ達からはイケメン先生って、大人気だよ。」

「そうか…。」

『いやいや、永久?先生も七くんに合わせただけで、本気じゃないからね?』

なんか変なこと考えてそうで、焦ってしまう私。