紅が良い女だなんて、オレがいちばん知ってる。

だからこんなに惚れてんだからな。

「女っていうのはどこ情報だ?」

まずはきちんと聞かないと、弁解もできねぇ。

「七くんだ。」

「はぁ?!七くん?!」

オレよりも先に、驚きの声を上げる蒼空。

オレはビックリしすぎて声もでねぇ。

「な、七くんがなんて?!」

動揺しまくりの蒼空に、服部父が答える。

「駅前で見たそうですよ。女と腕を組む永久様を。」

「!!」

あれか!

確かにイトコに頼んで、目立つように歩いてもらった。

紅と写真を撮られたから、まだ付き合ってもないのに負担かけちゃいけないと思ったからだ。

どれも本気じゃないと、情報撹乱させるためだったが、紅と七世に見られるとは思わなかった。

偶然っていうのはマジ怖ぇな。

「七くんが言ってたよ。自分と同志だと言ったのはウソだったのかと悲しそうにな。それを見た紅さんが七くんの傷ついた顔を見て、泣きそうになっていたな。」

二人の傷ついた顔が、頭の中をグルグル回る。