『ココア、お口に合いましたか?コーヒーを入れ直しましょうか?』

だいぶ顔色もよくなってきたおじいちゃん。

「ありがとう。初めて飲んだがなかなかうまかったですよ。」

『それはよかったです。』

二人で笑いあっていると。

カランとドアの開く音。

スーツを着た男性が2人入ってきた。

「1人で出歩くなってオヤジも言ってただろ。得体の知れない店に入ったりするなんて、何考えてんだよ!」

かなり失礼な人?!

「ああ、悪かったな。ただ、親切にしていただいた彼女に失礼だろう?」

顔は良いのかもしれないけれど、礼儀がなってないわ!

なんか腹立つ。

我慢できなくて思わず口を挟む。

『あの、私、藤沢紅と申します。6年前からこのカフェを営んでおります。これで得体の知れない…なんていわれることもありませんよね?ちなみに、入ってきた瞬間にまずおじいちゃんの身体を心配なさるべきでは?先程まで顔色悪くとても辛そうにされてました。』

無表情で私を睨んでる男。

お互い睨み合ってるけれど。