「一生の財産を勝手につくろうとするなんて、バカな話ないわよね!」って言われてた。

がっくん、同情できません…。

「そういえば、紅は最近どうなのよ?なんかね、何もなければ、お母さんからお見合いの話が出てたから、近々そっちに話がいくわよ?」

『えっ?お見合い?』

ぶっ!って、コーヒーを噴き出す瀬高さんと服部さん。

私よりびっくりしてないですか?

「ママ、お見合いってなぁに?」

七くんが不思議そうに聞いてくる。

「七くん、お見合いっていうのはね、結婚するために仲良くしませんか?って、知らない人と会うことなのよ。」

…理々、物知り~。

「ええっ?永久くんはどうするの?」

『七くん?彼は関係ないから。』

すかさず七くんを黙らせる。

じゃないと、のの姉がうるさい。

「あっ、そうか。でも、永久くん他のお姉さんといたもんね。あの人、永久くんのお嫁さんになるひとかなぁ?」

「えっ?!七くん何の事だい、それは?!」

瀬高さんが焦ってる。

「昨日、お姉さんとくっついて歩いてたよー。ボクとどーしって言ってたのに、ウソだったのかなぁ…。」

七くんの悲しそうな言葉のあと、ガタンと、派手なイスの音がして、瀬高さんが立ち上がる。

服部さんも慌てて立ち上がり。

「今日はこれで失礼するよ。服部、行くぞっ!」

「はい!」

勢いよく二人、飛び出して行った。