かなり七くんは壱紗くんを急かしてる。

今まで聞きたくても聞けなかったのかな。

悪いことしたのかも。

「まず、七世のパパはかっこよくて、何やっても1番で、すっごいモテモテだったぞ。でも、高校入ってすぐに七世のママにひとめぼれ!紅は最初、学校の王子だった弓弦のこと、知りもしなかったから、かなりアタックしまくってたな~。紅は面倒なことを嫌うから、弓弦といると他の女の子の目が怖いって、弓弦から逃げまくり。諦めないで追いかけまくる王子を、いつしか学校中が応援してたな。」

「え~ママ、パパのこと、好きじゃなかったの?!」

驚いてる七くん。

まぁ、確かに最初は面倒だったし、弓弦くんに興味もなかった。

そもそもクラスも違ったしね。

私が黙ったままでいると。

「それで、パパはどうしたの?」

「そりゃもう、紅は直球でいかないとダメだから、相当頑張ったぞ。ありゃ、ストーカーの域だな。」

「すとーかーってなに?!」

「ずーっとママの近くにいて、ママの好きな物調べて、ママのお家も毎日ついていって、休みの日にも連れ出して、つきまとってたんだよ。」

「すごい執着だな…弓弦さん…。」

葉ちゃんの小さな呟きが聞こえた。

確かにあの時はひどかった。

インドアな私を連れ出しまくってくれたもんなぁ。

おかげで充実した高校生活だったけれどね。