それはそれで問題だったけど、お爺さんの話も気になった。


寒かったので車に戻りさっきのお爺さんの話を1から思い出す。

頭に傷。

この事が引っ掛かってる。

落ちたときに岩にぶつけたのかそれとも……。


「はい。」

助手席に座った桐谷さんが缶コーヒーを差し出した。

「あ、ありがとう……。」

それを受け取る。

缶は温かかった。