「今日はどうしたの?」

「あ、いえ……あの……。」

どうしようか?
本当の理由を言うべきか。

でも言ったら折角乗り越えられた悲しみをまた味わわせてしまいそうだ。


「香菜の部屋を調べに来たんでしょ?」

僕は驚いてうつ向いていた顔を上げる。

「え?」

「知ってるよ。川本君が香菜の自殺を調べてること。」

誰から聞いたんだろうか?

「それで来たんだよね?」

「はい……。」

おばさんは笑った。
やっぱり諸星さんに似ている。


「香菜の部屋はあの日のままにしてあるから勝手に調べていいよ。」

そう言われたので遠慮なく調べることにした。