「…ふーん、なんで?」


…は?何コイツ。デリカシーってもんを知らないわけ?


イラッとした私は、振り返ってそいつを睨んだ。


「あ、あんたねぇ!デリカシーってもんはないの?!女の子が泣いてたら、大丈夫?でしょ?!言えないなら空気読んで帰って!」



ぜぇぜぇと息をしながら怒鳴る私を見て、急に笑い出すそいつは、お腹を抱えながら爆笑していた。


は?え?なんで笑われてるの?


「やべー、まじでおもしろい。いやぁ〜笑った笑った!」


そう言ってそいつは、私の隣に腰掛けた。



何ちゃっかり隣に座ってんの?!



目を見開く私を見つめるそいつは、私の頭を撫でた。


「まぁ、正直なところ、泣き止む五分ぐらい前からいた」



えーー

五分前からいたの?わんわん泣いてたし…すごい恥ずかしいんですけど…