藤原先輩、会いたいよ。

会って抱きしめてほしいよ。



泣きそうになるのを堪えきれずに、私はその足で保健室に向かった。




* * *



シーンと静まりかえる保健室。


ここだったら、泣ける。



1人だと確認して、声を出して泣く。

ただひたすら泣いて、涙が枯れるまで泣いた。



保健の先生はいったいどこで何してるんだか。

一向に保健室に来る気配はない。




「…何してんの?」



ソファの上で体育座りをする私の背中に投げかけられた言葉。


藤原先輩かと期待したけど、聞いたことのない声で、すぐに藤原先輩じゃない事は分かった。