「昨日奈緒が帰った後、百合泣いてたから、とりあえず近くのカフェに入って、百合が落ち着くのを待ってた」

「百合が落ち着いて、どういう事か説明してくれて…俺と別れた後に付き合った、健ってやつ。そいつにいきなり振られたらしくて」


「……」


「…私が間違ってた、俺とやり直したいって言ってきたんだ」



やり直したい。

なんて自分勝手なんだろうか。
自分から手放しておいて、散々傷付けて、やり直したいだなんて…


「もちろん断ったけど、諦められないって。健と付き合ってからも、俺の事は忘れてなかったって…」



ズキンと痛む心臓。


「話だけ聞いて、すぐ帰ったけど…多分、また来ると思う」


「そ、そうだったんですか」


不安な気持ちを誤魔化すように俯くと、頭を撫でてくれる。


「心配すんな、俺はお前しか見てないから」



そう言われても、はい、分かりました!なんて、あっさり切り替えられないよ…