「不安だったよな?…ごめんな」
その言葉に、目に涙が滲む。
藤原先輩は、ちゃんと分かってくれていた。
私が不安がってた事を、ちゃんと分かってくれてた。
「…藤原先輩」
「ん?」
「あの、抱きしめられるのは嬉しいけど、周りの目が…」
そう言うと、サッと離れて周りを見渡す。
さっきから近所のオバサンや、ランニング中のオジサンに恥ずかしい目で見られている。
「ご、ごめん…行くか」
そう言って、当たり前のように繋がれる手。
昨日まで空っぽだった心が、一気に満たされる。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…