「お?塚田が手を上げるなんて珍しいな…」
「…お腹、痛いです」
「あほ面の次は腹痛?まぁいいや、保健室行ってこい」
案外上手く騙せた事に驚きつつ、ゆっくりと教室を出た。
保健室行ってこいった言われたもんね〜
我ながらズル賢いとは思うけど、そんな事よりも藤原先輩!
ガラガラッと勢い良く開けると、藤原先輩がソファに座って眠っていた。
「なんだ、寝てるじゃん」
ゆっくりと、隣に腰掛ける。
綺麗だな〜
もっと近くで見たい。
のそっと近付いて見つめていると、パチッと開く目。
「うぇえ?!お、起きてたんですか?!」
「うん、最初からね」
そう言ってフワッと笑った先輩に、つられて笑う。
「…可愛い」
"可愛い"
赤くなる顔を隠すように俯く。
すると、首にヒヤッとする何かが当たる。
「…え?…ネックレス?」
「…やるよ、それ」
ピンクゴールドのハート型にダイヤが散りばめられたネックレス。
太陽の光に照らされてキラキラ光っている。
「え、でもなんで?」
「昨日さ、通りがかりで見つけて、奈緒っぽいなって思って。…プレゼント」
「え、うそ。ありがとうございます!」
思いもよらないプレゼントに、高鳴る胸。
嬉しい。
自然と笑が零れた。