* * *


「まったくお前は!今日は草むしりで勘弁してやる!」



よりによって草むしりかよ。

教室でプリントやらされる方がマシだよ…
これも全部、あいつのせいだ!


教室に入るなり、山ちゃんにお叱りを受けた私は、心の中でブツブツと文句を吐きながら、自分の席に腰を下ろす。



それと同時に私の所に駆け寄ってきた親友真奈は、ちょっとちょっといいかしら?と、私の隣の席に腰を下ろした。




「は、はい。なんでございましょうか真奈様」

「まったく、あんたのその面見てたら怒る気失せたわ」

「す、すみません」

「でも、一限目に間に合わないってどんだけ寝てたのよ」



ハァ、とため息をついてスマホをいじる真奈。


「それがさぁ、素晴らしい程の恐怖体験をしたのよ」


「…恐怖体験って?」


スマホをいじる手を止め、私の目を見て続きを待つ真奈に、靴箱で起きた事を真奈に話した。