「だってさ。脈アリじゃん」
そう言って、小突いてくる真奈。
しないで後悔より、して後悔。
きっとこのまま告白せずに藤原先輩が誰かと付き合ったら、絶対に後悔しちゃう。
そうだよね。当たって砕けろだよね!
「真奈…」
「んー?」
「私、行ってくる」
「え?!今?!」
今じゃないとだめなの!
じゃないと、今度こそ言えなくなる!
「今じゃないと、だめなの」
「…分かった。奈緒、強くなったね」
強くなったね。
その言葉が嬉しくて、泣きそうになるけど、それはフられた時に取っておこう。
購買で買ったパンを置き去りにして、私はあてもなく走り出した。