お昼休み、真奈と中庭でお弁当を食べていると、藍ちゃんの話になった。
「藍、今日告白するんだってね」
「…うん。すごいよね、藍ちゃん。私には告白する勇気なんてないよ」
「いい感じなのに?」
「…だって、好きな人いるって言ってたし」
チクチクと心臓が痛む。
藤原先輩の好きな人、藍ちゃんかもしれないんだよね。
「あれ?奈緒ちゃんと真奈ちゃん!」
遠くの方から聞こえる懐かしい声に、私と真奈は振り返る。
「優馬先輩!お久しぶりです!」
「久しぶり〜!何の話してんの?」
優馬先輩とは、屋上でお弁当食べた以来かな?
変わらないな〜チャラさ。
「恋バナですよ、こ、い、ば、な」
「え?恋バナ?!俺も混ぜてよ」
「え〜、やですよ」
真奈と優馬先輩の会話を背にボーッと地面を見つめる。
「奈緒ちゃん、元気ないね?どしたの?」
「いや、ちょっと…」
「なになに?話してみ」
そう言って、ニッコリ笑う優馬先輩。
…話してみようかな。
何かアドバイスくれるかもしれないし…
「…私、藤原先輩の事が好きなんです」
「え?そうなの?!」
「はい…それで、どうしたらいいか悩んでるって言うか…」
「なるほどね〜」
そう言って、何かを考える優馬先輩。
「…春人は、いい奴だよ。だから、気持ちを伝える事に恐れないで」
そう言って、優しく笑う優馬先輩。
「そもそも、奈緒ちゃんがびびってたら何も始まらないしね。しないで後悔するより、して後悔だよ」
ごめんね、こんな事しか言えなくて。と眉を下げて手を顔の前で合わせる優馬先輩。
「あっ!それともう一つ。…春人、奈緒ちゃんの話する時すげー楽しそうだよ」
そう言って、ごめん、先生に呼ばれてるから!と走って職員室に走って行った優馬先輩。
私の話をしてる時の藤原先輩、楽しそうなんだ。
嬉しくて、顔が緩む。