「……俺が、中3の頃」

「初めて付き合ったのが、あの写真に写ってた女」

「俺、本気であいつの事好きでさ。あいつが喜ぶならって、何でもした。…でも、あいつに別れたいって言われて、理由聞いたら…遊びだったって」

「…っ、」

「顔が良かったから、付き合った、ただそれだけ。って、それだけ言って、違う男んとこ行ったんだ」


「……」



チラッと塚田奈緒を見ると、泣きそうな顔で俯いていた。


「だから、高校に入ってから告白されても、全部断ってた。本当の俺を好きになったんじゃなくて、顔だろって」


「俺が、告白してきたやつをキツく突き放すのは、その優しさが相手を傷付ける事もあるから」


「…でも、女の子、泣いてた…」

「優しくしても、期待するだけだろ。期待されても、気持ちには応えられない。そしたらまた傷付くだろ」



俺がそうだったから。

あの時、キツい言葉でフられて良かったって、後からそう思えたから。