【 春人 side 】
「ん〜」
横からの声に目を覚ました俺は、目を見開いた。
「…つかだ、なお」
俺の横で寝ている塚田奈緒は、静かに寝息をたてていた。
白くて綺麗な肌、綺麗に化粧されたまつ毛に、小さくて血色の良い唇。
太陽の光に当たって、黄色く透き通った髪。
守りたくなるような、華奢で細い体。
ドキドキと高鳴る胸。
何故かそれに、心地よさを感じてしまう。
ジーッと塚田奈緒を見ていると、不意に、目が合う。
「どぅえっ?!」
変な声を出して驚いている塚田奈緒は、保健室が暖かいせいか、顔が赤かった。
「お腹、大丈夫?」
「あ、大丈夫です」
そう言って笑った塚田奈緒は可愛くて、癒される。
「…ならいいけど」
こいつはきっと、自分の良さに気付いてない。
こいつが側に居る時、俺は必ず笑っていて、気分もすごく落ち着く。
…俺、塚田奈緒が好きなんだ。
不意に、そう思った。
なんだか嬉しくて、顔が緩む。