「…ごめん、嫌な事思い出させて」


ブンブンと首を振って、お互い様々です、と呟く。


フッと笑う先輩につられて、私も笑う。



「…奈緒と居ると落ち着く」


「わ!わたしも、です」



耳元で呟かれたからか、赤くなる頬。

…抱きしめられててよかった〜
って、抱きしめられてる?!


「え、っと、せんぱい?」


上を見上げて、藤原先輩を見つめると、すぐに目が合う。
けど、すぐに逸らされて、離れる体。


「ご、ごめん」

「い、いえ」



気まづい空気が流れるけど、それはチャイムによって助けられた。