「ご、ごめんなさいっ」
「…は?」
頭を下げて謝る私に、驚いた顔をして私を見る藤原先輩。
「私、そんなことも知らずに心無いとか思っちゃってて」
そう言うと、フッと柔らかく笑う藤原先輩。
「いいよ、別に。そう思ってもらうためにキツく突き放してたし」
藤原先輩は、優しい。
心の無いロボットだ!とか思って自分を殴りたい!!
「今はもうとっくに、アイツの事は吹っ切れてるよ」
そう言って、あくびをする藤原先輩を、抱きしめたくなった。
辛かったですよねって、抱きしめて頭を撫でてあげたい。
まぁ、そんな事出来るわけないけど…
「あの、ありがとうございます、教えてくれて」
「…おまえ、じゃなくて…奈緒の事も教えろよ」
"奈緒"
急に名前で呼ばれて赤くなる頬。
とっさに俯いた私は、誤魔化すようにソファに座った。