ふぅ、とため息をつき、話が終わるのをひっそりと隠れて待つ私。




今日のお弁当、何の具が入ってるかな〜


なんて、呑気な事を考えてる私の前に立ちはだかる大きな影。





「…えっ」



恐る恐る見上げると、手をズボンのポケットに入れて私を見下ろす男の人。





「何してんの?」




そう言って、ニコッと笑う彼。





(あの、目が全然笑ってません!!!)


そんな事言えるはずもなくて…
危険だと感じたのか、体は固まって動かない。





「えっ?いや、あの…」

「盗み聞きかぁ、悪趣味だね」



そう言って、私の前にしゃがみこみ、私の目を真っ直ぐ見つめた。




シャツからチラチラと見える鎖骨、無造作にセットされた茶色い髪、左耳にはシルバーのピアス。

ツン、と鼻を通る甘い香り。


透き通るような、茶色い瞳に目を奪われた。