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「…ん〜」


あれ?ここ、どこ?

鼻にツンとくる薬品の臭い。

…保健室だ。


そう言えば、藤原先輩が居て、一緒になって寝ちゃったんだっけ。



チラリと、天井から藤原先輩の方を見ると、バチッと目が合う。



「どぅえっ?!」


慌てて姿勢を直す私を見て、フフッと笑みをこぼす藤原先輩。


みみみみみ見られてた?!


「おはよ」


そう言って、優しくて笑ってくれた藤原先輩。


「お、おはよう、ございます…」

「…で、なんで俺の横にいたの?」


「え?っと、それは…お腹痛くて保健室に来たら、その、藤原先輩が寝てて、横に座ったら私も眠くなっちゃって…」

「ふぅーん」


やばい。引かれた?

起きたら女が横で寝てるなんて絶対引かれたよね…


「ここさ、すげー落ち着くんだよな」

「…え?」

「晴れてたら太陽の光が良く当たってさ、ここ座ってたらいつも眠たくなって寝ちゃうんだよな」


「先輩…」



確かに、良く日が当たってあったかい。

引かれてない、良かった〜
胸に手を当ててホッと息を吐く。


「お腹、大丈夫?」

「あ、大丈夫です」



そう言って笑ってみせる。


「…ならいいけど」



そこから続く沈黙。


何か話さないと、藤原先輩帰っちゃう。

何か、何か話題…



「ふ、藤原先輩って」

「ん?」

「す、すす」

「すす?」

「す、すきな、」

「すきな?」

「好きな食べ物ってなんですか?!」

「…ん〜、ハンバーグ」



そう言って優しく笑った藤原先輩。

やっぱり笑顔は素敵で、好きが溢れる。