藤原先輩に会えると思うと、高鳴る心臓。
きっと、まだ緊張してるだけ。
でも、じゃあ、同時に胸が苦しいのはどうして?
そんな事を考えてるうちに、時間は過ぎ、お昼休みになった。
「じゃあ、行こっか」
藍ちゃんのその言葉で、私と真奈は席を立ち、待ち合わせ場所の屋上まで歩いた。
キィキィとさびれた音を出す扉を押し開けて、周りを見渡す。
「あ、翔太!優馬!それに、春ちゃん!」
藍ちゃんのその声で、座って話をしていた3人がこっちを見る。
「みんな、おはよう!」
「おはようございます」
そんなやり取りをして、私達も翔太先輩、優馬先輩、藤原先輩の前に座る。
「いやぁ、土曜は楽しかったね」
そう言いながら、焼きそばパン頬張る優馬先輩。
「それにしても優馬歌下手すぎ!」
「いやぁ、あれはほんとやばいわ」
「こら!そんな事言わない!」
ワチャワチャと、土曜日の話で盛り上がる中、藤原先輩は優しい笑みを浮かべながら、メロンパンを食べていた。