って言っても、半ば強制だけど。
「お邪魔しまぁーす」
皆で藤原先輩の家に上がり、部屋を見渡した。
あれ?家族で住むには狭くない?
「あ、春人一人暮らししてんの」
頭の上にハテナマークだらけの私に、優馬先輩は教えてくれた。
「あ、そうなんですね」
だからか。ワンルームだし、そりゃそうだよね。
「ったくお前らは、まじですぐ帰れよな」
そう言って、ソファに腰掛けた藤原先輩は、どこか楽しそうだった。
なんだかんだ言って、皆の事好きなんじゃん。
自然と笑がこぼれ、慌てて表情を戻した。
「よーし、買ってきたお菓子広げようぜ!」
行きにコンビニで買ったお菓子を広げ、皆で他愛ない話をする。
「あ、そうだ、春ちゃん!卒アル見てもいい?」
「その棚ん中ない?」
ゴソゴソと探して、すぐに見つかった卒アルを広げて皆で見る。
中学の卒アル。知らない人しかいないけど、中学生らしい表情をしていた。
懐かしいなぁ。
私も帰ったら卒アル見返そう。