1階に降りた私は、洗顔と歯磨きを手短に済まし、スクールバッグに適当に荷物を詰める。



「あ、そうだ。奈緒、今日帰りにお醤油買ってきてくれない?」




お願い!と手を顔の前で合わせ、申し訳なさそうな顔をして私を見るお母さん。



「ん、分かった!…やばいもう25分!?行ってくるね!」



スクールバッグを持って急いで玄関に向かう。


履きなれた黒のローファーを靴箱から取り出し、ちゃんと履けていないまま玄関から飛び出した。