「遅いね、男子達」
「んー、そうだね〜」
私達が到着してから10分が経ったころだった。
ーーーガチャッ
「悪い!遅くなった!」
「春人が嫌がってさ〜無理矢理引っ張って連れて来てたら遅れた」
「は?そもそも合コンとか聞いてねーし!」
そう言って勢い良く入ってきた男子軍を見て、私は目を見開いた。
「えっ!?なんで?!」
勢いで立って大声で声を出す私のせいで、シーンと静まる部屋。
私の目に写ったのは、確かに下駄箱の時の人で。
「君も、待たせちゃってごめんね?」
「…えっ?いや、大丈夫、です」
空気を変えようと、話しかけてくれた短髪で爽やかな人。
ヘナヘナと席に座り、真奈に耳打ちする。
「ねぇ、どういうこと?」
「いや、私にもさっぱり…まさか藤原先輩か来るなんて思ってなかったし」
「春ちゃん来てくれたんだ!久しぶり!」
「…おう」
「ま、俺らが無理矢理連れてきたけどなー」
目の前で繰り広げられる驚きの光景に、唖然とする私に気付いた藍ちゃんが、自己紹介から始めようか!と気を使ってくれた。