でも最後に、頑張れよって伝えたい。


お前なら大丈夫。ひとりじゃない。俺がついてる。


その思いも込めて、伝えたい。



式が終わった後、急いで追いかけた。




奈緒は、笑っていた。

俺と居る時とは別人のように、幸せそうな顔をしていた。



「奈緒!」



俺を見るその目は、涙で溢れていた。


謝ろうとする奈緒を止めて、頑張れよ!と、そう言ってその場を去った。






───好きだ。




ポツリと吐いた言葉は届くはずもなくて。




でも不思議とそんなに辛くはなかった。

奈緒の悲しい顔を見るよりは全然マシだった。






ありがとう、奈緒。

お前のおかげで俺は、恋を知った。


初恋は見事に悲しい結果だったけど、俺は大丈夫。



お前が笑っているなら、大丈夫。







fin.