俺はこいつに謝らせてばっかりだ。

情けない自分に嫌気がさした。





そして、ついに卒業式。



奈緒より後ろの席の俺は、奈緒をずっと見ていた。

でも奈緒は、藤原先輩を目で追っていた。

奈緒はどんな時も、俺じゃなくて藤原先輩を見ていた。



俺じゃダメなんだ。

素直にそう思った。



きっと奈緒は、俺がいるからと我慢している。



気付くのが遅かった。
もっと早く解放していれば、奈緒はこんなに辛い思いをしなくてすんだのかもしれないのに。