次に会うときは笑っていてほしいと、そう願って保健室をあとにした。


でも、あいつの悩みはそんなちっぽけじゃなかった。



深くて、怖くて、辛くて、悲しくて、苦しくて、藤原先輩の事が好きなのに、自分の力じゃどうにも出来ないって、泣きながらそう言った。


俺が守りたい。

不意にそう思った。


俺ならコイツを泣かせたりしない。

俺がこいつを幸せにしたい。


この時に気付いたんだ。

あぁ、俺はこいつが好きなんだって。



そう思うと嬉しくて、暖かくて、愛おしくて

こんな気持ちになったのは初めてだった。