遊園地、映画、動物園、プラネタリウム、カフェ、水族館、お祭り、数えきないぐらいデートした。


時にはぶつかる事だってあった。

何度も何度も確かめるように、お互いを求める事もあった。


優しいキスも、抱きしめてくれる腕も、声も、匂いも、笑顔も、全て覚えている。


忘れたくなんかない。




きっと、藤原先輩は、百合さんと幸せになってる。

そう言い聞かせて、今日まで過ごしてきた。



私は、藤原先輩とは違う道を歩いてゆく。



ふと、首につけられたネックレスを触る。

私は、いつか藤原先輩から貰ったネックレスを外せずにいる。

いつか思い出になるその時まで、外す事が出来ないんだろうな、と思う。