それから数日。奈緒から連絡が来る事はなく、俺も連絡しようとしなかった。


奈緒に合わせる顔がなかったからだ。



そんな時、奈緒とこの前の男が楽しそうにしながら購買の列に並んでいたのを見つけた。



奈緒は笑ってる。

その男と幸せそうに笑ってる。


奈緒の笑顔が好きだったけど、その笑顔を奪っていたのは俺だった。

俺に、奈緒を幸せにする資格なんてない。

一番泣かせなくなかった人を、知らない間に泣かせていた。




そして俺は、奈緒と別れることを決意した。



本当は好きじゃないなんて嘘。

今でも毎日、奈緒の事を想ってる。


日に日に好きが募っていく。


情けないけど、奈緒がいないと辛い。



だけど、俺といる事で奈緒が辛いなら、俺は迷わず別れを選ぶ。



そして、奈緒に、別れを告げたんだ。




─────




明日は卒業式。

奈緒と別れて百合とヨリを戻したけど、結局百合とは上手くいかずに別れた。

と言っても、俺が奈緒を忘れることが出来なかったのが理由だけど。




卒業式が終わると、もう奈緒に会うことはない。

きっと、あの男が奈緒を幸せにする。


奈緒が幸せなら、それでいい。


いいはずなのに、自分から別れを告げたのに

俺の体中後悔でいっぱいいっぱいだった。