───卒業生入場
その言葉を合図に、入場する先輩達。
藤原先輩は、3組。
見つけた。
わたしは今でも、藤原先輩を見つける事が出来る。
と言うか、見つけてしまう。
購買の列でも、食堂でも、運動場でも、どこでも。
気付けば藤原先輩を探している。
その度に、好きなんだと実感させられる。
好き。
心の中で呟いた声は、藤原先輩に届くはずもなくて…
あっという間に終わったリハーサル。
ついに、明日が本番。
伝えたい。
まだ藤原先輩が好きだと伝えたい。
湧き上がる気持ちに、涼太くんへの罪悪感。
どうしたらいいのか分からなくて、頭が痛くなる。