「真奈、心配かけてごめんっ」
休み時間を見計らって教室に戻った私達は、真っ先に真奈の元へ走った。
「いや、私はいいけどさ…先にそれ、どういう事か説明してくれない?」
それとは、繋がれている私と涼太くんの手の事だろう。
「俺ら、付き合う事になった」
改めてみると恥ずかしくて、照れるけれど、そういう事です!と元気よく伝えた。
「…は?ちょっとまって全然分かんない。藤原先輩は?」
「藤原先輩とは仲直りしたよ!振られちゃったけどね」
苦笑いする私を抱きしめて、頭を撫でてくれる真奈。
辛かったね、と何度も何度も頭を撫でてくれた。
「私ね、藤原先輩とはこうなる運命だったんだと思うの」
「…奈緒」
藤原先輩が居なかったら、こんな辛い気持ちにならずにすんだ。
でも、藤原先輩がいなかったら、今の私は居ないから。
藤原先輩のおかげて強くなれたよ。
藤原先輩のおかけで、もう一度自信が持てたよ。
そして私達は、今日から新しい道を進んだ。