こんなにも呆気なく終わってしまうなんて
私があの時怒らなかったら
意地なんて張らなかったら
もっと我慢してたら
後悔ばかりが私を襲う。
私の隣で笑ってくれる事も、一緒になって喜んでくれる事も、心配してくれる事も、名前を呼ばれる事も、隣を歩く事も、もう二度とない。
涙が溢れて視界がぼやける。
「…うっ…うぅっ、」
苦しくて、息が出来ない。
どれぐらい泣いただろうか。
ただただ泣いて、藤原先輩を想った。
───バンッ
扉が開く音がして、藤原先輩が戻って来てくれたのかと期待して振り向くけど、そこには居たのは、藤原先輩ではなく涼太くんだった。