下駄箱で靴に履き替えて、涼太くんと校門に向かって歩いてると、見覚えのある後ろ姿を見つけた。



藤原先輩だ…

ドキドキと高鳴る心臓。


もしかして、待っててくれたのかな?



なんて、良いように考えていると、藤原先輩に駆け寄って、腕を組む百合さんがいた。




ズキッ

思わず立ち止まる私に気付いて、首を傾げる涼太くん。


「奈緒、どうした?」

「……」



心臓はこんなに痛むのに、2人から目が離せない。

どうして会ってるの?

どうして腕を組まれても拒否しないの?


どうして?



「…アイツ、彼氏?」


静かに頷くと、何を考えているのか私の腕を掴んで歩き出す涼太くん。



「えっ?!ちょっと、涼太くん!」

「いいからついてこい」

「……」


グイグイと引っ張る涼太くんの力に勝てるはずもなく、仕方なくついていく。