「はーい、みなさんお疲れ様でした〜!気を付けて帰ってね!」
先生の挨拶の後に、そそくさと実行委員の人達が出終わるのを待って、私も空き教室から出る。
下駄箱に向かって歩いていると、涼太くんが私の肩を叩いて呼び止めた。
「お前1人?」
「え、そうだけど」
「なら一緒に帰ろうぜ!ひとりじゃあぶねーし」
そう言って、下駄箱に向かって歩く涼太くんを追いかけて、隣を歩く。
「…あの」
「なに?」
「この前は、ありがとう」
この前?と首を傾げて考えた涼太くんは、あぁ!と思い出したようで私に笑いかける。
「いいよ、別に。相当泣いてたし」
泣いてる所を見られてた事を思い出して、恥ずかしくなって俯く。
恥ずかしい。あんなにワンワン泣いてるところを見られるなんて、恥ずかしい!!!
「まぁ、あんま思い詰めんなよ」
「…うん、ありがとう」
そう言って、頭を撫でてくれる涼太くんはとても暖かい笑顔を見せてくれた。