「えー、っとー、とりあえず出し物決めていきましょう」



と言った瞬間飛び交う意見。

「映画館!」
「焼き鳥?とうもろこしもいいね!」
「いやー、無難なカフェでしょ!」


まってまって!早い!1人ずつ喋って!

そんな私の心の声は届かず、一気にうるさくなる教室。


「ちょっとみんなしず」

「焼きそばがいい!」
「いやー、焼きそばならたこ焼きでしょ!」


「ねぇ、ちょっとみんなしずか」

「メイド喫茶だってー!」
「お化け屋敷!」


ーーバンッ


「うるさい!1人ずつ喋ってって言ってんの!分かる?!」



机に叩いて怒る私に驚いたのか、シーンと静まる教室。



やばい。言ってしまった。
サァーっと引いていく血の気と冷や汗。


「塚田が怒るとこ初めて見た…」


1人の男子の声に共感していく皆。


「ご、ごめんなさい。…とりあえず、1人ずつ手を挙げて意見してください」



そう言うと、静かに手を挙げて指されるのを待つみんな。



とりあえず、良かった。

心の中で安堵して、黒板に書き込んでいく。