「あれ?あれって藤原先輩じゃね?」
「あ、マジだ。おい、塚田ー!お前の彼氏女と喋ってんぞー?」
「いいのかよ?浮気じゃね?」
「バカ!お前そう言う事言うなよ!」
クラスの男子達はワイワイと騒ぐ。
「あんたら、ちょっと黙りなよ」
真奈のドスの効いた一声で、静まる男子達。
真奈の迫力はほんとに凄い。
「ありがとう、真奈」
「私は全然いいけどさ…」
「奈緒ちゃん、大丈夫?」
心配してくれたのか、藍ちゃんが私の側に駆け寄ってくる。
「うん、大丈夫だよ!」
いつも通り笑ってみせるけど、藍ちゃんは眉を下げて私を見つめる。
「何かあったら言ってね?いつでも聞くから!」
藍ちゃんはそう言って私を抱きしめてくれる。
私はほんとに友達に恵まれてる。
真奈と藍ちゃんがついてくれてたら、大丈夫。
心強いよ。
心で呟いて、机に突っ伏した。