もちろん警察にも連絡したし、頼めるところには全部協力を頼んだ。


兼仁おじさんはもう半分パニック状態で、さっきからみんなに当たり散らしている。


しまいにはいつか俺にしたみたいに、紫苑の胸ぐらをつかんで、



「紫苑!!なんでお前はちゃんと見張ってなかったんだ!!」



「す、すいません…っ。まさか窓から逃げられるとは…」



「お前がもっとしっかりしてればこういうことにはならなかったはずだ!!」



「申し訳ございません…」



その様子を見て、自分まで胸が痛む。


普段はあまり表情を崩さない紫苑も、今日ばかりはひどく思いつめた顔をしていた。



兼仁おじさんは手を離すと、今度は俺たちみんなに向かって怒鳴り始める。



「そもそも、誰も気づかないとはどういうことだ!!

どうなっとるんだ!この家の者たちは!

役立たずめっ!!」