ガシッ

「――つれないなあ」

腕を掴まれた瞬間ぞわっと鳥肌が立った。

顔が強ばるのが自分でもわかる。


「シカトしないでよ、今日が最後なんだから。最後ぐらい話しようよ」

ニヤリと笑う顔にまた鳥肌が立つ。


嫌だ、気持ち悪い。

私に触らないで。

『……っ、いやっ!』

思いっきり腕を振りほどこうとした。


が、男の力に勝てるはずが無い。

そのまま引き寄せられ、抱き締められた。

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。

怖い。

アイツは暴れる私に構う事なく首筋に顔を埋めてきた。

次の瞬間、生ぬるい感触を感じた。

『!』

生ぬるい感触の正体はすぐに分かった。

舌だ。

アイツが…、私の首筋を、舐めてる……。

嫌だ気持ち悪い。