満島さんの言葉に首を傾げていると、廊下から女性が現れた。
わ、綺麗…
思わず声に出そうになるのを堪えた。
綺麗に巻かれた茶髪のハーフアップ。
大人びた顔立ちに、スラッとした体型。
その女性は私を見つけると、足を止めた。
「マネージャー、新しい子?」
先程と同じ事を聞かれ、また小さく首を横に振った。
「俺がキャッチしたの。椿(つばき)ちょうど良かった。この子に化粧とかしてあげて」
「うん。わかったわ、おいで。えーっと…ごめん。何ちゃん?」
首を傾げ尋ねてきた椿さんに、そういえば名前を言ってなかったことに気付く。
「そうだ。名前聞いてなかった」
満島さんも今、思い出したようだ。