(部活せんけど、見に行こ)
そう思った私は放課後体育館へ行った。
邪魔しないように、壇上へ上がった。
「あ。」
『あ。』
キミがいた。
「何してるの?」
『次の授業の勉強と課題。』
「あ~課題でとったね。」
『一緒にしよーや。』
「いいよ。」
舞台袖にある机と椅子を二個ずつ出して向かい合わせにくっつけて座る。
「う~ん…」
『どこでとまっとるん?』
「ここ。」
キミは丁寧に教えてくれた。
(優しい…そして分かりやすい…)
キミの説明に集中して、気づけば顔の距離が近くなっていた。
気にしてないふりをしながら私は少しずつ離れる。
『あ~ちょっと休憩。』
私は机に突っ伏す。
体育館で部活をしている音が心地いい。
(ふぅ…そういえば進路どうするんだろ)
考えながら突っ伏している頭の向きをかえた。
すると目の前にキミの顔。
びっくりして、すぐに起き上がった。
そしてすぐに進路先を聞いた。
ドキドキが止まらない。
しかもいつも眼鏡をしているキミが外していた。
(綺麗な顔…)
素直にそう思った。
その日から私たちは放課後暇があれば体育館に行き、一緒に勉強した。
勉強する時間が楽しかった。