◆◇◆◇◆◇


忙しさのせいか
あっという間に2時になり、
ぼくは店を出て
昼ごはんを買いに行く。

外は相変わらず晴れていた。

この天気の中、
外でライブをやるのは
気持ちいいだろうな。


ぼんやりと
そんな事を思いながら
CD屋の前を
通り過ぎようとした。


そして言葉を失う。


…そうだ、
3時からライブってことは
その前にリハがあるって
ことじゃないか。

何で気付かなかったんだ。


「由真~」


猿くんがぼくに
手を振ってきた。

やめてくれよと思ったけど
無視する訳にもいかないので
ぼくは軽く会釈をした。

そして猿くんは
とんでもない事をする。


機材の陰で作業をしていた
Aくんの肩を叩いて―…



Aくんは顔を上げて
こっちを見た。



「!」



目が合った。


心臓がドキンと鳴った。


ぼくは
どうして良いか分からず、
とりあえず
下手な笑みを浮かべた。


あぁ、上手く笑えない。


Aくんは少し


困ったように笑った。




…あぁ


終わったんだ。