初めてセックスをしたのは
16才だった。

これが早いのか遅いのか、
平均なのか、
そんな事はどうでもいい。

ぼくはセックスが好きだ。

体を繋げることで
一人じゃないって
実感できるから。



…小学校5年生から
ずっと学校に行かないで、
ぼくは一人、
自由に生きていた。

お母さんは
ぼくに興味がなくて、
学校に行かなくても
怒らなかった。

おばあちゃんは怒っていた。

おじいちゃんは死んだ。

お父さんはいなかった。



毎日毎日、空を見ていた。



ヘッドホンをつけて
音楽を聴いていた。




ぼくは自由を手に入れた。



自由と孤独は
セットになっている、と
以前図書館で読んだ本に
書いてあった気がする。


「由真」


自由さえ
手に入れることが出来れば
孤独なんて怖くない。


むしろ嬉しい。


女のコ同士の友達付き合いの
めんどくささ、
先生と教師の絆、
先輩後輩の上下関係、
男のコと女のコの
恋愛なんて

そんなのに
まとわりつかれたら、
息がつまってしまう。


「…由真」


本当は家にだって
帰りたくないんだ。

本当に、
一人になりたいんだ

ぼくは。


「由真っ!」


「…はぁい」


「これも値付け~」


「…また値付け…」


「文句言わなーい」