「茜、無理しないで。恐かったよね。」

先輩は私の視線に合わせるように屈む。

「泣きたい時は我慢しないで。」

先輩はそっと私の頬に手を置く。


「せ、先輩・・・。」

私は先輩に抱きついた。

先輩は少しよろけながらもしっかり受け止めてくれた。

「こわかったです。ものすごく。」

先輩の優しいにおいがした。