この世には、三つの世界がある。

これは、その中の二つの世界の物語。

種族を越えた愛の物語。



「今日もいい天気。」



私は、エレナ。

私の住んでいるこの世界は天界といい、天使が住んでいる。

後の二つの世界は人間界と魔界といい、人間界には人間が住んでいて、魔界には悪魔が住んでいる。

この三つの世界の住人が接触することはない。

接触してしまえば、この世を支える三つの世界に歪みがしょうじることがあるから。




あの時、あの人に声をかけなければ…あの人に会わなければあんな悲劇は生まれなかったのに…





私は、いつものように庭にあるお花にお水をあげていた。それが毎日の日課だったから。



「うぅ…」


 
苦しそうな声が聞こえてきたから、声のする方に行ってみた。

すると、誰かが倒れていた。

私は、慌ててその人にかけより声をかけた。



「どうしたんですか?大丈夫ですか?」



問いかけても、答えは返ってこない。

それどころか、その人はよりいっそう苦しそうに呻くだけだ。

仕方がないから、私はその人を家の中に入れてベッドに寝かせた。

これが、私とあの人との出会いだった。