「んじゃぁ。学級委員男女1名ずつやりたい人はいるか?」
担任はクラスを見回すが誰一人として手を挙げている人はいない。
「おっ、城崎!
目が合ったな!女子はお前で決定」
誰も手が上がらず困っていたのか、たまたま目が合った私が指名された。
「えっ!?
えっと…私!?
わ、分かりました…」
しょうがないよね。先生困ってるっぽいし…。
「男子は〜。
誰かやりたい奴いるか?」
思った通り誰も手を挙げない。
しばらくの沈黙が続いた。
ースッ
「なんだ矢川やってくれるのか?」
矢川悠真君は静かに頷いた。
誰も手を挙げずに目を逸らしていたから彼が気を使ってくれたのかな?
本当は優しいのかな…?
「え!?悠真君やるならぁ!私もやりたい!」
「私もぉ!」
「お前ら今になって手をあげるなよ!」
クラスの女子へ軽くツッコミを入れる先生。
私やらなくてもいいかな?
内心少しだけホッとした。
委員とか中学の頃からずっとやっていたけど、凄く大変だったから今年はやらなくていいかな…?
「これじゃあ、決まらないなぁ。
おあ、矢川。お前が決めろ」
「は?最初に城崎って決まってたんじゃねぇの?」
え!?私の名前知ってるの!?
彼の口から私の名前が出てきてものすごくビックリした。
「はいはい。
決定!学級委員は最初に決まってた城崎と矢川
で。
学級委員は放課後生徒会室へ。
他は解散!」
そういい先生はクラスを出て行ってしまった。