「天!ここみたい!」

私たちは無事同じクラスになりクラスの前まで歩いてきた。

「まさか、学校の王子様と同じクラスになるとはねぇ…。」

なんと、矢川悠真君も同じクラスになった。
隣で興味深そうに悩んでいる智恵に少し苦笑いをした。

「智恵、中に入ろう?」

「そうだね!」

私たちは中へ入り出席番号に並んだ席へ座った。
私と智恵は前後で並んで座った。

「天、みてみて。
王子すごく囲まれてるね」

矢川悠真君のほうを横目に私はコソコソ話しかけた智恵。
確かに女子がたくさん囲んでいる。

「大変そうだね。」

女の子達の話にまるで聞く耳を持たず何処かを見ている彼へすこしめをむけた。

ーパチっ

「えっ…」

矢川悠真君と目が合っている…?

いや…気のせいだよね。

だって、目が合うはずなんて…。

その途端少しだけ、彼が少し笑ったような気がした。

いやいやいやいや!!
気のせいだよ!!

学校の王子様が私なんかを見るわけないし!

私は慌てて前へ向き直った。

「天?どうしたの?」

「う、ううん!なんでもないよ!」

私は後ろを向けないまま前を向き心臓が鳴り止むよう胸を押さえた。

それから担任の先生の声にクラスのみんなは席に着き、学級のことについての話が始まった。