ケーキ屋に行く話が出て、俺は兄の彼女、佐久間智恵へ『悠真がさ、その子のこと気になっているらしく、俺くっつけたいんだよね』とこそっと耳打ちをした。

智恵はすぐに了承してくれ、悠真と天ちゃんを一気に近づけるチャンスだと思った。

「悠真。
今日の放課後空けとけよ」

そう伝え放課後まで時間が過ぎるのを待った。


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放課後になり、悠真へ天ちゃんも来ると言い強引に連れ出した。

それでも素直じゃない悠真は、帰りたいと言いながら駄々をこねていた。


彼女は彼女で鈍感だから、いっさい気づかず、中に入る事ができた。


その日を境に二人の距離は一気に近づいた。



クリスマスの後日悠真から、付き合うことになったと教えられた。


城崎天さん。
俺の友達は、女慣れしてそうだけど全くしてないし、ツンデレだけど、これからよろしくお願いします。


と心の中で言い、俺は嬉しそうな顔をしている悠真の背中をバシッと叩いた。


これから、あの二人に幸せあれ!



〜波田聖side〜