修了式から2日経った。

未だに矢川君に連絡を取ることができないままだった。

「電話でも、メールでもって…私にはハードル高すぎるよ…」

智恵の言葉を思い出しベットの上に体育座りをし、丸まった。

矢川君の電話番号を表示した画面とにらめっこしながら悩んでいると、着信音が鳴り、表示画面を見ると矢川君からだった。

軽くパニックになりそうになるのを抑え、画面をタップした。


「は、はい。
城崎です。」

「あ、えっと。
明日暇か?」

電話越しに聞く矢川君の声はいつもより少し低く聞こえた。

「うん。暇です。」

「…近い!邪魔!」

ん??
電話を話したのか声が遠く聞こえる。
誰かいるのかな?


「明日遊びいかねぇか?」

「あ、うん!」

「じゃあ、〇〇公園入り口に十時で…」


そういい矢川君は通話を切ってしまった。
もしかして…これって…デート?

でも、私と矢川君は友達だから、デートじゃないのかな?

せっかく誘ってくれたから、頑張ってオシャレしなきゃ!

少しでも矢川君に可愛いって思われたい!


そう思い私は服選びにとりかかった。